薬膳のすすめ(加藤ゐくこ先生)

国際中医薬膳指導師」加藤ゐくこ先生

薬膳とは?

私たち東洋人の間では、古くから「薬食同源」という言葉があり、食べ物は利用のしかた次第で優れた薬になるということが知られていました。

そして、「薬食同源」の考え方に基づいた「薬膳」という食のスタイルはよく知られ、レストランのメニューやテイクアウトにも採用されるように進化してきました。

「薬膳」は、中医学(中国伝統医学)における「食療」と「食養生」と呼ばれる知識体系と手法に基づく健康の維持、増進、回復を目的とした食事です。

食療と食養生は、中国の豊富な食経験の積み重ねに基づく知識体系であり、その基礎を成しているのが「薬食同源」という考え方です。

現在、この古くからの素晴らしい食の英知が普及しなかったのには、いつくの理由が考えられます。まず薬膳の基礎になる中医学理論が「わかりにくい」ということ。また、日本では明治以降西洋医学に偏倒し、中医学の教育や実践場がほとんどなくなっています。

そして、「薬膳」という言葉には、「薬臭い → 美味しくない」というイメージがつきまといます。一般に美味しいメニューが少ないという現状も挙げられます。

特にグルメブームや「飽食の時代」と呼ばれる時代が長く続いたことで多くの日本人の舌が肥え、美味しいものしか受け付けないようになりました。そのため、苦味や薬臭さのある薬膳料理は日本人には受け入れられにくい時期が根底にありました。

近年、生活習慣病や高齢化などわが国だけでなく、中国も従来の医療保険体制では対処が難しくなりつつあり、伝統医学や東西結合医学が一般化しております。

「薬膳」についても、雑誌各誌で、“美味しくてきれいになる、元気になる薬膳料理”などと掲載されることが多く、タイトルは「薬膳」という言葉から脱却し「アジアン・フードセラピー」などと呼ばれていますが、その基本は伝統医学の英知です。

また、日本人は薬膳を「漢方薬を使った健康料理」であると認識しているようですが、実際には、食療と食養生の理論に基づいたもので、身近な食材の性質や効能を知り一定の目的に応じて利用すれば、漢方薬を使わなくても身近な食材で薬膳を作ることができますし、日常生活のなかで「薬食同源」の考え方に基づいた「フードセラピー」(食養生)を実践することができるのです。

「おうちで薬膳」の実践で大切なことは、四気折々の旬の食材を使い、春夏秋冬の各季節の気温や外気の寒暖の変化に合わせて、さらに、人体の陰陽に合わせて食材や調味料の組み合わせや調理法に変化をつけながら、免疫力や自然治癒力の向上を目的にした簡単で美味しいメニューで家族や友人、知人と楽しい食卓を演出できるように工夫していければ良いと思います。

日常食としての薬膳は、身近な食材で短時間調理で周囲の人たちに喜んでもらえることを最上の目的と考えていますので、お気軽に取り組んでいただきたいと考えています。

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