秋の養生(加藤先生より)

国際中医薬膳指導師」加藤ゐくこ先生

秋の養生法:暦の上では8月7日の立秋から11月7日の立冬までを秋としています。

秋は空気が乾燥することが多くなり気温が下がります。天の気は上昇し、清く澄んで収斂するため、空は高く空気は清々しく、風の音は力強くなり、枯れ葉が舞い落ちて実を結ぶ、とても美しい季節です。

中国古代の書物:黄帝内経素問・「四季調神大論」では自然界と人の生活の目安をわかりやすく伝えています。

夏は「蕃秀:ばんしゅう」と言い、生い茂る様、エネルギーが最も強い季節とされています。

秋の三ヶ月は「容平(ようへい)と言い草木は稔、大気は穏やかに収縮して引き締まってきます。

■秋の生活

秋は「早寝早起」を。

秋は、陰の気が強くなり陽の気が衰えるので、早く寝て陽の気を養います。

五臓六腑の養生に適した就寝時刻は夜の11時からとされています。

朝は5時から7時に起床。この時間に人の気は開き始めるので、起きるのにちょうどいい時刻です。

12月の冬至に向かい、昼は短く夜は長くなっていきますので、睡眠時間を多くとって活動時間を減らし、夏の疲れを充分な睡眠で解消します。

特に、疲れやすい場合は、週一くらいで、9時間の睡眠をおすすめいたします。

 中医学の五行説では秋は大気が乾燥して「燥邪:そうじゃ」という邪気が乾燥に弱い「肺」の気が影響を受けやすいと考えます。特に、明け方の冷えに気を付けましょう!

春は気が生まれ、夏は成長し、秋は収斂します。この自然の規則に背いた生活をすると、肺の気を傷つけてしまうのです。

秋に肺をうまく養えなければ、冬にお腹をくだしたり病気にかかりやすくなるとされています。

昼夜の温度差も大きく、昼は太陽が燦々と降り注いでいても朝晩は冷え込むため、風邪をひきやすいので特に注意が必要です。

食べ物や肺の養生に適したお茶などに気をつけて肺を乾燥させないようにしましょう。

中医学では、秋は空気が乾燥する季節。乾いた空気を吸い込むと肺を傷め、咳や痰が出やすくなります。そんな時には痰を取り除いて肺を潤してくれるアーモンド:杏仁がおすすめです。 

肺の養生に役立つ食物を選ぶ目安は、大根、蓮根、百合根など、白い色の食材がよろしいです。

これらはまた、旬の食材でもあります。

果物では、梨やブドウが肺の養生によろしいので、朝のうちから午前中にとるとよろしいです。

人体は、自然の中で生かされた存在なので、旬のものを取り入れることがどの季節でも大切です。

「身土不二:しんどふじ」人は大宇宙の中で生かされている小宇宙としての小さな優しい壊れやすい存在なので、季節ごとの養生によってこそ、100歳長寿も夢ではないでしょう。

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